揖保乃糸を知る

産地

  • 播磨の小京都と呼ばれる兵庫県たつの市を中心に、姫路市・宍粟市・揖保郡・佐用郡の約420軒の生産者によって作られています。

たつの市は、恵まれた気候風土、近隣の良質な小麦や赤穂の塩、清流揖保川の水がそうめん作りに適していたことで、勤勉な農家の労働力によって日本有数の産地になりました。

揖保乃糸のふるさと、兵庫県たつの市。かつては「播磨国」と称され、雨季でも雨が少なく、その温暖な気候から播磨平野は肥沃な田園地帯、播磨灘一帯は優良な魚場として形成されました。

播磨五川のひとつ揖保川の軟水と豊富な水量に加え、自然の恩恵を受けた上質な「小麦」、近隣には塩作りの中心である赤穂、奇跡的とも言える条件が重なり、この地での素麺製造を育みました。

江戸時代には龍野藩の保護育成により、製造量の増加とともに製造業者が乱立し、粗製乱造した時期もあったようです。この事態を憂いた産地の製造家が集まり、品質低下を回避すべく業者間での約束事(素麺屋仲間取締方申合文書)を交わしました。
現在でもその想いが受け継がれ、製造後は兵庫県手延素麺協同組合の検査指導員によって厳正な検査が行われ、基準をクリアした素麺だけが「揖保乃糸」として出荷が許されます。

天・地・人とは孟子の教えであり、上杉謙信がこの3つの条件を満たす大将を、日本の歴史、中国の歴史、神話の時代に遡っても見たことがない。もっともこんな大将がいたら、戦は起こらないし、敵対する人物もいないだろう。と引用したものです。